2025年8月6日
関西電力株式会社
社長 森 望 様
申入書
新たな原子力発電所の建設を中止してください
7月23日に貴社が新規原子力発電所の建設を検討しているとの報道がありました。東京電力福島第一原発の事故の後始末もまだまだ途上にある中で、新規原発を建設することは許されないことと考えます。以下の疑問にどう答えるのか十分検討の上、新規原発建設を撤回してください。
- 現在稼働している原発は巨大地震に耐えうるのか
・2024年の能登半島地震では志賀原発が大きな損傷を受けた。稼働していなかったことが幸いして深刻な事故には至らなかったが、貴社は定期検査中も含めて現在7基の原発を稼働させ、その内3基が運転開始から50年に迫るという老朽原発である。もし巨大地震に襲われたらひとたまりもない状況ではないか。一度に複数の原発が損傷を受ける可能性もある。それでも大丈夫という保証はどこにあるのか。避難についてのあらゆる想定をした上で原発を動かしているのか。
- 使用済み核燃料をどうするのか
・中間貯蔵施設がないまま稼働させているが、約束通り稼働を止めるべきではないか。
・乾式貯蔵を進めているとのことだが、安全性は確保できるのか。
・核燃料サイクルが破綻している現状で運転し続けるのはなぜか。
・最終処分場がどこにもないのに、さらに原発を建設するのはなぜか。
- 脱炭素に応えるものとしているが本当か
・データセンターの増設に伴って電力需要が増大するとしているが、そのような巨大な電力を必要とする設備の建設自体が脱炭素の動きに逆行するものではないか。そのような国の政策を鵜呑みにしていいのか。
・原子力発電は発電する際に二酸化炭素を排出しないので脱炭素に有効と言われるが、発電所建設には安全性を保つためのさまざまな設備が必要であり、稼働前だけを考えても膨大なエネルギーを要する。また核廃棄物処理では地中深く埋めることや、数万年も監視し続けることなど、これらにも膨大なエネルギーがかかる。二酸化炭素を排出しないということは成り立たない。そのようなことを総合的に見ると決して脱炭素に有利な設備とは言えない。
・福島原発事故を見ても明らかなように、巨大事故が起きたらその後始末に膨大なエネルギーがかかる。核物質は簡単には処理できない。二酸化炭素を排出しないで、後始末を行うことは不可能だ。
・新規原発が完成するはずの20年後の省エネ技術や蓄電池の進歩、再エネ拡大と効率化をどう考えているのか。省エネ、再エネ拡大こそ、脱炭素の道ではないか。
- 原子力発電所が戦争の標的になるということについて、どう考えているか。
- 脱炭素には再生可能エネルギーという選択しかないと考える。設備投資も少なく、建設時や廃棄時のエネルギーも原発の比ではない。安全性においては議論の余地がない。
以上の疑問のすべてに答えられない状況での新規原発建設は認められません。
強く新規原発建設の撤回を要求します。
申入れ団体
アジェンダ・プロジェクト京都 安全食品連絡会 核のごみキャンペーン関西
関電株主代表訴訟原告団 北山の自然と文化をまもる会 京都反原発めだかの学校
京都・水と緑をまもる連絡会 グリーン・アクション 子どもたちに未来をわたしたい・大阪の会
3.11ゆいネット京田辺 脱原発・滋賀☆アクション 脱原発へ!関電株主行動の会
丹波自由学校 使い捨て時代を考える会 つながる、みなまたとわたし 七番めの星
日本消費者連盟関西グループ 反戦老人クラブ・京都 避難計画を考える滋賀の会
福井から原発を止める裁判の会 ふるさとを守る高浜・おおいの会
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
(以上22団体)
連絡先 NPO法人使い捨て時代を考える会
〒600-8061京都市下京区筋屋町141
電話075-361-0222