糸へん日誌第8回「繊(せん)」繊維くずとマイクロプラスチック

2026年6月10日

子どもたちにもっと針仕事に親しんでもらおうと始めた「縫い物道場」は、活動開始から6年がたちました。小学生のお子さんを中心に通っていただいています。縫い物道場の子どもたちに、ずっと出してきた問題があります。「みんなが着ているお洋服は何から出来ているでしょうか?」
残念なことに、ほとんどの子は答えられません。答えのひとつは「石油」です。世界的に衣料品素材はポリエステル(合成繊維)が綿(天然繊維)を抜いて主流となっており、その割合は50%を超えています。ポリエステルやナイロンといった合成繊維は、石油由来の樹脂で、広い意味ではプラスチックです。「みんなプラスチックを着ているんだよ」と言うと、「知らなかった〜!」とびっくりします。
ここで敢えてプラスチックと表現すると、環境問題に目をむけるきっかけになります。プラスチックに関して大きく取り上げられているのが「マイクロプラスチック」の問題です。実は、合成繊維の衣類を洗濯すると、目に見えないほど小さな繊維くずが水といっしょに流れ出ています。環境問題に取り組む国際NGOのFriends of the Earthの調査結果では、合成繊維の衣類を一回洗濯すると何百万ものマイクロプラスチックが排水に流れ出ると発表しています。
家庭でできる対策としては、「洗濯機用後付けマイクロファイバーフィルター」の使用があげられます。標準的な糸くずフィルターでは長さ3mm以上のゴミについては高い補足が期待できる一方で、3mm未満の微小繊維の捕捉は難しいといわれいていますので、専用フィルターが必要です。2026年3月から新しく製造された洗濯機には、マイクロファイバーフィルターを装着することが義務化され、対策が進められています。

刺繍作家・お洋服のリペア人気講師/会員こうのなおさん

https://nacco-broderie.shopinfo.jp

※この記事は、こうのなおさんが「見える繕い」で連載中のコラムを、ご本人の許可をいただきツカジダのサイトにもゲスト掲載させていただいているものです。
本家サイトでの連載はこちら → 本家サイトがメンテナンス中なので追って更新します!

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