2014/9/29関電京都支店との話し合い記録 関電側; 広報担当 3名 使い捨て時代を考える会; 3名(槌田、山 田、藤井) *事前に質問書を提出し、それに沿って話し合いを進めた。 文 書回答は無し。 ……………………………………………………………………… 質問書 お忙しい中、話し合いに応じて頂きありがとうございます。 以下の質問に書面でのご回答をお願いいたします。 【質問1】 原発のコスト等について以下の質問にお答えください。 1) 原発は他の電源よりコストが安いと言われてきました が、本当にそういえますか? 言えるとしたらどういう根拠でしょうか? 2)「電力システム改革で電力供給の自由化が進めば、総括 原価方式でやってきた料金 方式では市場競争に敗れる。 それは原発の高コストによる」と言われていますが、関電 としてはどのようにお考えで しょうか。 3)「化石燃料輸入で貿易赤字が増加している。そのためにも 原発の再稼動が必要」と 宣伝されています。福島のよう な過酷事故が起きたら被害総額は貿易赤字どころではあ りません。化石燃料の輸入を抑えるためにも再生可能エ ネルギーへの転換を早めるべきではないで しょうか。 見解をお聞かせください。 4)火力発電燃料費の増加を理由に再値上げの申請をされると のことで すが、もとはと 言えば、原発依存の経営姿勢が引 き起こした事態であると考えます。経営の失敗を消費者に 負わせるのは無責任ではないでしょうか。見解をお 聞かせ ください。 5)すべての原発が停止していますが、この間も年間1兆円以上 の維 持費がかかっていると言われています。他の発電では 考えられないことです。また使用済み核燃料の処理、廃炉な どにも多額の費用がかかりま す。それでも原発を維持する理 由は何でしょうか。 【質問2】 老朽化した 原発の廃炉計画を進めるとの報道がありました。 貴社の美浜1,2号機についても廃炉の検討に入ったとのことです。 美浜も含め各原発について、①何年に運転を開始したか ②今 どのような状態であ るのか ③再稼動・廃炉など今後の計画 ④廃炉への資金予 測とその積立の現状、をお答えください。 1)美浜1~3号機について 2)高浜1~4号機について 3)大飯1~4号機について 【質問3】放射性廃棄 物について 日本学術会議は、「原発から出る高レベル放射性廃棄物 (核 のゴミ) に ついて、10万年程度とされる最終処分の前に、原発ごとに保管施設を設け、30年間暫定保管すべきだ」 「原子力政策の方針を決めた後 に、高レベル放射性廃棄物問題の対処を考えるのではなく、高 レベル 放射性廃棄物問題を考慮事項に入れた上で、原子力政策について考えるべきである」とする報告書を公表しました。この報告についての見 解をお聞かせください。 以上

 

…………………………………………………………………… 以下話し合いの内容 (Q;こちら側の発言 A;関電の発言関電発言の カッコ内はこちら側が補足したもの) A(質問1-1) データがまちまち だ。エネルギー・環境会議のコスト計 算を目安にしている。当社がはじいたものではなく、経 済専門家などによって公的にはじき出されたもの だ。 (質問1-2) このように主張している方がいることは認識している。 より競争が激しくなると思わ れる。一つのエネルギーに 依存するのではなく、多様なエネルギーで対応する。 (質問1-3) (化石燃料輸入 で貿易赤字が増加しているとう)分析が あるのは理解している。過酷事故のくだりも認識してい る。再生可能エネルギーは一つの意見と思う。 再生エネ ルギーも開発しつつ、原子力の安全性確保も進める。 one or zeroではなく、いろいろな形で考えてる。 (質問1-4) 報道されて いるが、現段階では関電は値上げ申請を 言っていない。 (質問1-5) 原子力維持の目的は安全性、安定性、環境負荷、経済 性でみて重要なベースロード電 源だから。安全を確保 し再稼働して行きたい。 A(質問2について) 美浜の廃炉計画はない。再値上げも、廃炉計画も関電 は言っていない。報道が先 走っている。 Q設置の 時に原子炉の運転の基準があったはずだ。70年代 の審査基準では30年だった。それを40年運転 し、さらに 延ばすのはどういうことか。 A40年運転を(再審査で20年延長 し)60年にするのは今のルールでそうなっているが、いつ延長するかは未定だ。 Q廃炉計 画がないのは信じられない。美浜を動かすのは脅威だ。再稼動にも不信感が募る。 Qいずれ は廃炉になる。資金計画はどうなっているか。 Aバック エンド費用はある。(資料を見て)12年度末で3000億円 (聞き間違いの可能性もあり。次回の話し合いで確認する予定)。 HPのIR情 報に出している。国の会計基準に合わせ ている。 Q廃炉費 用はどのように計算しているのか。作業員が被曝もする。どのような試算か。 Qトイレ なきマンションと言われてきた。その状態で「責任を持って運転する」と言われても信用できない。再稼働は放射性物質をもっと増やすことに なる。 Q廃炉に 関する費用についてHPに出ていると言われるが紙ベースで資料が欲しい。 Q美浜は 一番危険視されている。だから廃炉にすると考えられており報道された。報道を否定するのか。40年 を超えて60年もやるのは、どういう根拠で安全確保ができると言っているのか。福 島原発も老朽化で事故を起こした。金属疲労もあり30~40年というのは経験のないことだ。安全神話ではないか。 Qたとえ 安全であっても廃炉計画はあってしかるべき。現時点でないというのは驚きだ。 A現時点 で示せるものはない。国の方針が出た段階で、示せるものなら示す。 Q新聞報 道は近い将来の廃炉を言っているのだが、いずれにせよいつかは廃炉にするのだから廃炉計画はあってしかるべきではないか。 A何度も 言うが、現段階で示せる廃炉計画はない。 Q原発の 高い依存度を減らし、ベストミックスを考えているというが、美浜をはじめこれからも動かしていくのか。住民の安全を考えていないではない か。 Aベスト ミックスは示せない。長期的安定供給で考えていく。ご意見として受けたまわる。 Qどうい う形で廃炉にするのか。廃炉費用(バックエンド費用)をためているはずだろう。費用の額は廃炉にする方法によって変わってくるはずだ。ど のような廃炉計画で廃炉費用をためているのか。大事故が起こった場合の廃炉費用は福島の例を見ても莫大だ。そうでなくてもどのように廃炉 にするのかで試算は変わるはずだ。示せないというの は信じがたい。 A今の段 階で具体的に示せるものはない。電気事業 のルールに則って積み立てている。 Q企業と して困るのではないか。総括原価方式だからその時考えればいいと考えているように見える。費用計算しておくのが一般企業の責任ではない か。 Q国の制 度で廃炉引き当て分を積み立てているが、関電自身は具体的な試算はやっていないということを言っているのか?具体的な試算なしで廃炉費用 を積み立てても、実際にその金額で廃炉にできるかどうかわからないではないか? A法律で 定められた会計基準に従ってやっている。それ以上のことは申し上げることはない。 A(質問3について)国の方針に沿って事業者として対応していく。 Q福井県 以外に中間処分場をつくると八木社長が言っていたが、全国でも処分場の引受先が問題になっている。処分場の具体化もできないで 再稼働はあ り得ない。 時間 切れでここまで。事業者として廃炉計画を主体的に考えていないことがはっきりした。