2014年/7/25関電京都支店との話し合い記録

2014/7/25関電京都支店との話し合い記録

 

関電 側;                         3名

使い捨て時代を考える会;4名(槌田、山 田、藤井、宇野)

今回は6月に提出した 質問書の未回答部分のうち、主に避難計画等をめぐって話し合った。

 

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質問書(今回の話し合い部分)

 

【質問1】再稼動にあ たっては東京電力が起こした福島第1原発事故について、十分に検証する必要があると考えます。これについて以下の質問にお答えください。4月の話し合い では、「答える立場にない」とのお答えでしたが、客観的事実については回答可能なものと考えます。

 

4)福島 原発事故によって、家や土地を離れて暮らすことを余儀なくされている人は全国で現在何人いると認識しておられますか。

 

5)京都 府へ避難してきている人は何人ぐらいおられるか、ご存知でしょうか。住宅事情や収入など生活困難が伝えられています。貴社はそのことにつ いて、どのような関心をお持ちでしょうか。

 

【質問4】防災・避難 計画についての以下の質問にお答えください。

 

1)避難計画は自治体任せのように聞こえますが、企業としての責任を自覚されること はないのでしょうか。福島事故の際、絶対安全神話故に事故予測と避難対策の準備が欠如していて、被曝回避が不十分でした。この経験を貴社 としてどう認識されているのでしょうか。

 

2)自治体も国から丸投げされて困惑しているのが現実ではないでしょうか。避難計画 も立てられない自治体が多く、避難受け入れについては全く想定もしていない自治体がほとんどであると考えられます。そのような自治体の現 状を把握していますか。どのようにお考えですか。

 

3)事故を想定して、避難区域になる可能性のある自治体、避難受け入れ先となる可能 性のある自治体と事前の対策を話し合うべきではないでしょうか。事故時に受ける被害の大きい自治体は、立地自治体と同じレベルの安全協定 と安全対策を立てるべきではないのでしょうか。

 

以上

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以下話し合いの内容(Q;こちら側の発言  A;関電の発言 *関電発言の カッコ内はこちら側が補足したもの)

Q前回、 質問書にないことを質問したと言われたが、質問書になくても聞きたいことはある。質問にないとして回答を避けたことは理解できない。

 

A時間が 限られているので、そのための質問書と思う。

 

Q川内原 発に規制委員会が新基準適合という判断をしたが、安全を確認できたとは言っていない。誰が安全性を確認するのか。避難計画もできていない のでは安全性は確保できない。

 

A新基準 は福島事故の反省をふまえて、深刻な事故拡大を防げるのかという視点で作られた。「基準をクリアしているが、安全と言ったわけではない」 ととった。安全の追求に終わりはない。規制基準は最低限と考えている。それをクリアしたから良いというわけではなく、どんどん高めていく 努力をする。

 

Q事故が 起きたら責任は誰がとるのか

 

A原子力 は国策であり、民営で行っている。誰の責任かは法制による。

 

Q関電は 責任を取るか。

 

A「取 る」と考える。

 

Q避難計 画は企業の責任で立てるべきではないか。

 

A避難計 画は自治体主体で事業者は役割に応じて必要な協力をする。安全協定については京都府から要望書をもらっており、現在、協議している。

 

Q福島事 故から何を学んだのか。京都に何人ぐらい避難しているか?

 

A(資料 を見て)921人。あなた方は何人という答えではなく、関電が関心を持っているか ということが聞きたいのか。

 

Q資料を 見ないと分からないのか。前の話し合いでは事故後に自殺した農民がいることを知らなかった。関心が低いとしか思えない。関連死はどのぐら いか。

 

Aいろい ろな定義がある。

 

Q次回答 えてほしい。

 

Q毎回、 避難計画は自治体主体という答えだが、企業の社会的責任と考えないのか。安全協定が無くても自治体としては避難計画を立てざるを得ないと いう現状だ。原発を動かす事業者として関電が主体的に避難計画を立てるべきではないか。避難計画も立てていないのに再稼動するべきではな い。

 

A事業者 としての役目を果たす。安全協定は協議中だ。

 

Q京都府 は立地自治体並みにと言っている。安全協定も結ばないで、再稼働はあり得ない

 

Q3年4か月もたつのに避難者は元の 生活ができていない。関連死も増えている。

 

A関連死 は関電に聞くことなのか。

 

Q事実を 知ってもらいたい。企業責任を果たしてもらいたい。

 

Q(避難 者の立場で)先ほど「100パー セント安全はあり得ず、安全の追求に終わりはない」と言われた。その通りだ。特に原発は、完成された技術ではない。しかし、他の技術と 違って原発は「100パーセント事故を起こしてはいけない」もの。それは福島の甚 大な被害を見ても明らかだ。再稼働はあり得ない選択。新基準ではベントのためのフィルターの設置が入っているが、これは、何かあったら環 境中に放射性物質を放出することを前提にするということ。福島事故以前には「原発は絶対に安全、過酷事故はあり得ない」と言われていた。 今度は「何かあったらベントします、それをお含みおきください」ということ。180度 の転換。私たちはそんなこと含みおいて再稼働を許すわけにはいかない。

 

  避難計画などの問題は、再稼働しなかっ たとしても重要なこと。なぜなら、こ れまで生産してきた膨大な放射性物質を永久に管理し続けなければいけないから、そのための備え。しかし、再稼働して、さらにまた放射性物 質を生み出すということは絶対にしてはいけない。そんな間違ったことに加担してはいけない。

 

Q関電の 立場でこのような話をどう聞いているのか。現実についての認識が甘いのではないか。どのぐらい重く受け止めているのか。

 

Q(避難 者の立場で)また福島事故を繰り返すのか。私は10時 間後に着の身着のままで逃げた。事故で避難した人の中には自殺した人もいるし、離婚した人もいる。個々の苦しみひとつひとつが大変なもの だが、しかし(事故被害の)全体像はそんなものではない、はかりしれないほど大きいものだ。取り返しのつかない環境汚染が起きてしまっ た。万が一でも事故が起きる可能性があるのなら、再稼働はしてはならない。

 

Q福井地 裁でも、万が一でも事故が起きると考えるなら動かしてはならないという判決だった。現段階では避難計画が全くできていない。避難は誰もし たくない。

 

Q情報が 遅れて子どもが被爆した。これは犯罪だ。

 

Q避難と いうのは事前予告なしだ。会社の転勤でもそのようなことはありえない。

 

Q自分の 身に即して考えてほしい。社員として国に協力しないように上に言っていくべきではないか。内部から声を上げてほしい。

 

 Q(避難 者の立場で) 今、東電の社員の人たちは大変なことになっている。東電交渉の場でも、事故 現場で放射能焼けをした方が何人かいた。本当に、大変な想いをしていると思う。再稼働を止めることは、関電自身のためでもある。関電の幹 部が安易にこれまでと同様に再稼働を進めようとしているのなら、社内で、それを止めて欲しい。私たちは外からそれを応援する。

 

A一個人 として被害を受けたことにはお見舞い申し上げる。時間が切れたのでまた次回に。

 

 

 

今回は福島原発事故で避難している方に出席していただいた。避難者の話は時間がオーバーしていたにもかかわらず神妙に聞いて くれた。