2014年/6/25関電京都支店との話し合い記録

関西電力京都支店との話し合い記録

 

 

 

席者:関電側 3名、 使い捨て時代を考える会 槌田、児玉、村上、松良

 

 

 

あらかじめ以下の質問書を提出し、話し合いを行った。

 

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質 問書

 

お 忙しい中、話し合いに応じて頂きありがとうございます。

 

5月21日の福井地裁判決や、「原発はやめて」という多くの市民の声を無 視し、命を軽視して大飯原発・高浜原発の再稼動に邁進する貴社の姿勢には強い不安を抱きます。この状況をもとに下記の質問をさせて頂きま す。書面でのご回答をお願いいたします。

 

質問1】再稼動にあたっては東京電力が起こした福島第1原発事故について、十分に検証する必要があると考えます。これについて以下の質問にお答えください。4月の話し合いでは、「答える立場にない」とのお答えでしたが、客観的事実については回答可能なものと考えま す。

 

1)日本の原発は地震に対して十分な備えがあるといわれてい ましたが、福島原発はなぜ事故を起こしたのでしょうか。

 

2)事故原発に近隣する地域で、原発関連の死者が出ています が、その数はどの位と認識しておられますか。

 

3)放射能除染作業が行われていますが、放射能の総量は減ら せない、移動しているにすぎないというように言われています。その考え方、認識について貴社はどう考えますか。

 

4)福島原発事故によって、家や土地を離れて暮らすことを余 儀なくされている人は全国で現在何人いると認識しておられますか。

 

5)京都府へ避難してきている人は何人ぐらいおられるか、ご 存知でしょうか。住宅事情や収入など生活困難が伝えられています。貴社はそのことについて、どのような関心をお持ちでしょうか。

 

【質問2】老朽化した原発への危惧は特に大きいものがあります。貴社の各 原発について、①何年に運転を開始したか ②今どのような状態であるのか ③再稼動・廃炉など今後の計画 ④廃炉への資金予測とその積立 の現状、をお答えください。

 

1)美浜1~3号 機について

 

2)高浜1~4号 機について

 

3)大飯1~4号 機について

 

【質問3】貴社の原子炉の安全性について以下の質問にお答えください。

 

1)メルトダウンしたときに冷却水をかけるのではなく、メルトス ルーも放置して、格納容器に水を溜めてそこに炉心を落とすということになっていると聞きましたが、それは本当ですか。昨年夏以降の規制委 員会との適合審査のやり取りの中で、水をためる方式に変えたと言っておられますが、方針を変えたのでしょうか。(これについては前回、 「確認を取る」とのお答えでした)

 

2)福島事故前に作られた原子炉を安全というなら、その根拠 は何ですか。

 

【質問4】防災・避難計画についての以下の質問にお答えください。

 

1) 避難計画は自治体任せのように聞こえますが、企業としての責任を自覚されることはないのでしょうか。福島事故の際、絶対安全神話故に事故 予測と避難対策の準備が欠如していて、被曝回避が不十分でした。この経験を貴社としてどう認識されているのでしょうか。

 

2) 自治体も国から丸投げされて困惑しているのが現実ではないでしょうか。避難計画も立てられない自治体が多く、避難受け入れについては全く 想定もしていない自治体がほとんどであると考えられます。そのような自治体の現状を把握していますか。どのようにお考えですか。

 

3) 事故を想定して、避難区域になる可能性のある自治体、避難受け入れ先となる可能性のある自治体と事前の対策を話し合うべきではないでしょ うか。事故時に受ける被害の大きい自治体は、立地自治体と同じレベルの安全協定と安全対策を立てるべきではないのでしょうか。

 

以 上

 

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(会)例年関電がやっている節電の呼びかけが今年は見受けられないが、どうなっているのか?

 

(関電)数値目標を設けて日常的に呼びかけるということはしていないが、供給電力がひっ迫してきたらやるつも り。

 

(会)今年の夏は原発ゼロでもやっていけるということではないのか

 

(関電)この夏を乗り切るためのやりくりを何とかしているだけで、安定供給という観点からは足らないのは事 実。予備率3%としているがギリギリであり、50キロヘルツ圏内から融通してもらう分や、火力発電所の定期点検を先延ばしにするなどの処置をとって、この 夏を 乗り切るため何とか絵を書いたに過ぎない。心配なく使っていただくには足りない。安定供給のために、我々としてはあくまで再稼働を目指し たい。

 

(会)明日は株主総会だが、総会資料によると赤字決算となっている。その原因は何と考えるのか?

 

(関電)燃料費がかさんだからである。

 

(会)原発に要した全コストは昨年度どれ位だったのか?

 

(関電)データを持ち合わせていない。なぜ質問書にないことを聞くのか。前もって提出された質問書は何のため のものか。このようなことだと話し合いは時間の無駄である。

 

(会)明日の株主総会をにらみ、簡単に答えてもらうつもりであった。当方が出した質問書のうち質問1と2に対 し文書で回答してほしい。

 

(関電)文書回答はしない。こうして対談の場を設けているのだから口頭で答えることにする。

 

(会)質問3はどうか

 

(関電)NHKの 番組の話か?あれは九州電力の事例であり、NHKが編集したもので状況設定がわからず、番組におけるあの話の意図がどうもわからなかった。

 

(会)加圧水型の原子炉を動かしている事業者は、規制庁に対して九電と同じ内容を主張している。規制庁への説 明と市民への説明が異なるのは問題である。

 

(関電)あくまで炉を冷やすということが原則である。あの番組では事故の前提条件が不明だからこちらとしては 言いようがない。

 

(会)過酷事故(大破断LOCA+ECCS失敗など※)の想定が前提条件である。加圧式を採用している 事業者は皆、メルトスルーが避けられないと判断し た時は、速やかに水の供給先を切り替え、(燃料棒の冷却はあきらめて)下部キャビティに水をため、メルトスルーして溶け落ちてくる炉芯を冷やすというシナ リオを採用しているよう だ。あくまで(燃料棒を)冷やし続けるというのなら、少なくとも、圧力容器にも下部キャビティに送る分も両方賄う水量が確保できるとい うことでいいか。

 

と にかく加圧水型の原子炉は過酷事故では手がつけられないということではないのか。

 

(関電)何度も言うように、水で冷やすということが原則だ。

 

(会)そんなことは当然すぎて何も言ってないのと同じ。過酷事故に対する関電の対策方針を変えたのかどうかを 知りたい。次回は技術がわかる人を連れてきてほしい。こちらも専門家を用意するから。

 

 質問4に移る。防災・避難計画について聞きたい。

 

前 回も言ったが、兵庫県が行った原発事故の汚染予測シミュレーションで兵庫県が危ないなら当然若狭の原発と兵庫県の間に位置する京都府はさ らに高線量で被爆する。京都府との安全協定はきっちり定めるのか。

 

(関電)無視はしていない。京都府とは交渉中である。時間が来たのでこれで終わる。

 

 

 

注 LOCA: 原子 炉の配管などが破損して冷却水が大量に失われ、炉心崩壊・溶融の危機が心配される事故。

 

 

 

☆ここまで