2014年/4/27関電京都支店との話し合い記録

2014/4/9関電京都支店との話し合い記録

 

 

 

関電側;        3名

使い捨て時代を考える会;3名(槌田、山 田、藤井)

 

 

 

今回は質問書を事前に提出し、質問1、質問5を中心に話し合いをした。事故3年目にあたり、福島原発事故をどう検証しているか、避難計画をどう考えているかという論点で話を 進めた。書面での回答は無し。

 

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質問書

 

 

いつもお忙しい中、話し合いに応じて頂きありがとうございます。

 

福島原発事故から丸三年が立ちました。しかし、いまだに事故炉の炉心には近づくことができず、放射能汚染水が毎日流れ出していま す。この状況をもとに下記の質問をさせて頂きます。書面でのご回答をお願いいたします。

 

【質問1】今後貴社の 原発を再稼働する予定を聞いていますが、再稼動にあたっては東京電力が起こした福島第1原発事故について、十分に検証する必要があると考えます。これについて以下の質問にお答えください。

 

1)福島 原発事故の原因は何であったか。

 

2)現在 も放射能汚染水が流出し続けているが、安倍首相の発言「アンダーコントロール」だと思うか。

 

3)事故 原発に近隣する地域で、事故さえなければ…という死亡者が出ていると思うが、そのことを認識しているか。その数はどの位か。

 

4)放射 能除染作業が行われているが、放射能を減らせるわけではなく、移動しているだけという認識はあるか。

 

5)放射 能除染にこれまでどの位の費用が投入されているのか。これからかかる費用はどの位か。

 

6)福島 原発事故によって、家や土地を離れて暮らすことを余儀なくされている人は現在何人いるのか。

 

7)東電 の企業責任はどう思うか。

 

8)東電 の被災・避難住民への謝罪・補償・賠償は充分と思うか。

 

9)被曝 労働者の実態を知っているか。

 

【質問2】貴社の各原 発について、老朽化した原発への危惧は大きい。何年に運転を開始したか、それぞれの原発が今どのような状態であるのか、再稼動・廃炉など 今後の計画をお答えください。

 

1)美浜1~3号機について

 

2)高浜1~4号機について

 

3)大飯1~4号機について

 

【質問3】原発が稼働 していないので、他の発電を使っていることにより経費がかさみ、電力料金の値上げをせざるを得ないと言っておられますが、原発がコストが 安いというのはほんとうですか?その根拠を示してください。

 

【質問4】貴社の原子 炉の安全性について以下の質問にお答えください。

 

1)免震棟は法律にない施設ということだが、本来必要ない と考えているのか。

 

2)防潮 堤は27年完成予定と言っているが、完成前に安全審査を申請しているのはどうして か。

 

3)メル トダウンしたときに冷却水をかけるのではなく、メルトスルーも放置して、格納容器に水を溜めてそこに炉心を落とすということになっている と聞いたが、それは本当か。昨年夏以降の規制委員会との適合審査のやり取りの中で、水をためる方式に変えたと言っているが、方針を変えた のか。

 

4)福島 事故前に作られた原子炉を安全というなら、その根拠は何か。

 

【質問5】防災・避難 計画についての以下の質問にお答えください。

 

1)避難計画は自治体任せのように聞こえるが、関電としての責任はないのか。

 

2)事故を想定して避難区域になる可能性のある自治体、避難受け入れ先となる可能性 のある自治体と事前の対策を話し合うべきではないか。

 

【質問6】使用済み核 燃料・放射性廃棄物に関して以下の質問にお答えください。

 

1)前回使 用済み核燃料をどれだけ、どこに、どういう風に運んでいるかということについて資料を出すと言われたが、どうなっているか?

 

2)使用済み核燃料をはじめ原発から生じる放射性廃棄物の処分については福島事故以 前から大きな問題であり、想定外のことではない。原発をもつ貴社としては当然廃棄物処分を考えて原子炉を建設したと考えるが、その点につ いてお聞きしたい。

 

・貴社に おいて発生した使用済み核燃料はどの位の量か

 

・貯まり つづける使用済み核燃料を今後どうするのか。

 

・ 千年、万年の未来の子々孫々へのツケ回しについて、今の自分たちの利害中心の利己主義・刹那主義と思うが、その点についてどう考えるか。

 

以上

 

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以下話し合いの内容(Q;こちら側の発言  A;関電の発言 *関電発言の カッコ内はこちら側が補足したもの)

 

A(質問1について)関電としては答える立場にない。同種の事故を起こさないように津波、地震によ り非常用電源が喪失しないようになど必要な対策はしている。

 

Q汚染水 が抑えられていないのは共通の認識だが、教訓になるのではないか。

 

A答える 立場にない。

 

Q除染が 放射性物質の移動にすぎないという認識は東電事故と関係なしに一般的に言えることではないか。何故答えられないのか。

 

A関電と しては答えられない。

 

A汚染水 については事故の教訓を生かし、シルトフェンス対策などしている。

 

Qシルト フェンスをもうしているのか。

 

A準備し ている。最低限国の基準に適合させることだが、それ以上のレベルにしていくのが我々のスタンスだ。

 

Qチェル ノブイリ事故後に、日本で事故は起きないと言われていた。安全対策をしているから安全だというのは同語反復ではないか。

 

Aアン ダーコントロールについて言う立場にない。電力業界全体として多重な対策を考えている。

 

Qシルト フェンスを進めているなら説明してもらいたい。

 

A(同席 の一人にどうなっているかを調べるように指示。すでに設置していると回答。)

 

Q大飯原 発の基準地震動について想定を見直すように規制委員会から指示されている。想定を100ガ ルは上回るだろうと報道されている。

 

A揺れの 想定、震源の深さなどを予測して追加工事など対策をしていく。

 

Q追加工 事はどのぐらいかかるのか。工事もしていないのに安全審査の申請を出しているのか。

 

A申請は 「こういう工事をする」という段階で進めている。

 

Q再稼働 しないと電気料金を上げると言って、再稼動を前のめりにしているではないか。安全対策もできていないのに不可解だ。

 

Q福島原 発事故で自殺者が出ているが、こういうことを関電としてはどう考えているのか。

 

A申し上 げる立場にない。

 

Q自殺し た農民が数十人いると聞いている。どう思うか。

 

A我々と しては答えられない。被害についてお見舞いの言葉を言うのは前提だが、具体的には答えられない。

 

Q我々に とっても明日は我が身だ。関電は事故が起きたらどういう補償をするのか。補償について自治体は事業者負担と考えている。関連死は1000人を下らないと言われている。どう思うか。

 

A(回答なし)

 

Q京都府 も安全協定を結べていない。権限を伴った安全協定があってしかるべきだ。補償もはっきりさせないで再稼働は納得できない。

 

A安全協 定は交渉中。結果が出たら発表する。

 

Q八木社 長は安全確認したものを再稼働させると言っている。

 

A国の基 準をクリアすることが再稼動を進める最低限の条件。

 

Q新規制 基準は最低限であって安全基準ではないということだ。住民の避難計画もできていないのに再稼働はあり得ない。

 

A事故を 起こさないことが大前提だ。避難計画は国・自治体が主体的に設定することで、我々はそれに協力する。万が一事故が起きたら正確な情報を(自治体に)流す。

 

Q災害が 発生する危険があるなら、避難計画を考えるのは企業責任だ。福島では情報が伝わらなかった。被曝した子どもたちがたくさんいる。そのこと を心配するお母さんたちの心の問題をどう考えるのか。

 

Q京都府 では避難計画がまったくできていない。避難計画がないのに再稼働はあり得ない。想定外、想定不適当としてはならない。再稼動ということが 言える段階ではない。関電は過酷事故を起こさない安全対策だけでなく、住民が絶対に被ばくしない保証がない限り、再稼働をすべきでない。 それが企業責任だ。

 

Qこの夏 の再稼動はないのか。

 

Aこの夏 の電力供給に関して、再稼働できるかどうかは不透明だ

 

 

 

時間切れでここまで。今回は銅堂氏の機嫌が悪く、かなりいらだっていた。再稼動の見通しが立たないせいか?